KICSコラム
高校生新教科書について
去年この時期のコラムで、中学校の学習指導要領が改訂され英語の教科書も変わった話をしましたが、今年度は高校の教科書が変わります。
具体的には、今までの「読む」「聞く」に加えて「書く」「話す」を足した四技能を習得させることを目標としています。それに伴い、小学5年生から学校で英語を教え始め、高校卒業までに覚えないといけない単語の数を、以前の3000語から5000語にまで増やします。
【机上の空論】、【絵に描いた餅】、【砂上の楼閣】・・・。枚挙にいとまがない、とはこのことです。
沢山やらせれば沢山出来るようになるだろうという単純な考え方で決めた改訂でしょうか。うまくいきそうな要素が見当たりません。
仕事ができない従業員に成果を出させるために倍近い仕事をやらせる企業があるでしょうか?全く理解できない考え方です。そういう場合は、仕事量をへらし、しっかり仕事を覚えてもらうことで成長を促す方法をとるべきです。
英語教育も本当は逆のやり方、つまり「量を減らして質を上げる」ことを目指すべきです。今まで中学の3年間で習っていた英語を、高校の3年も加えた6年間で使えるようにまでもっていくことができれば、多くの高校卒業生が英語を話すことができるようになるでしょう。
英語が話せれば世界中のいろいろな国や文化の人たちと交流でき、考え方や視野を広げる大きな手助けになります。何より、楽しいことの数が倍増します。
世界情勢も刻一刻と変わりつつあります。今こそ本当に使える英語を身に着ける時なのですが・・・。